2026/08/22 14:53

成人式や七五三、結婚式など、大切なハレの日に身につける髪飾り。

お店で完成したものを見ると、一つの「お花」に見えるかもしれません。

でも、そのお花ができるまでには、たくさんの小さな工程があります。

つまみ細工は、小さな布を一枚ずつ折り、つまみ、重ねながら形を作っていく日本の伝統的な手仕事。

今回は、しおりやの髪飾りができるまでを、少しだけご紹介します✨


① 生地を選ぶ

まずは、髪飾りに使う生地を選びます。

振袖や着物との相性を考えながら、色や質感、組み合わせを決めていきます。

同じ「赤」でも、深い紅色、朱色、えんじ色、少しくすんだ赤など、色によって印象は大きく変わります。

また、髪飾りは単体で美しければいいわけではありません。

振袖の色や柄、お客様がどんな雰囲気になりたいのか。

そんなことを考えながら、ひとつひとつの色を選んでいきます。


② 生地を小さな布にカットする

選んだ生地を、花びらになる大きさに一枚ずつカットします。

ここから、つまみ細工の細かな作業が始まります。

小さな花びらを作るために、たくさんの布が必要になります。

ひとつのお花を作るだけでも、何枚もの正方形の小さな布を使います。

一見すると、とても小さな一枚の布。

でも、この一枚一枚が、最後には美しい花びらになります。


③ 一枚ずつ「つまむ」

ここが、つまみ細工の名前の由来でもある大切な工程です。

小さな布をピンセットなどでつまみ、折りたたみ、花びらの形を作っていきます。

丸みのある花びら。

先の尖った花びら。

少し立体的な花びら。

折り方によって、表情が変わります。

同じ大きさの布でも、折り方や角度によって仕上がりが変わるので、ひとつひとつ丁寧に形を整えていきます。


④ 花びらをひとつずつ組み合わせる

花びらができたら、それを一枚ずつ組み合わせていきます。

最初はバラバラだった小さな花びらが、少しずつひとつのお花になっていく瞬間。

この工程は、つまみ細工を作っていて特に好きな時間です。

「あと少しでお花になる」

そんな瞬間が見えてくると、わくわくします。

そして、花びらの向きや高さを調整しながら、全体のバランスを整えます。


⑤ 花芯をつけて、お花を仕上げる

花びらの中心に花芯をつけると、ぐっとお花らしくなります。

私の一番好きな工程です😊

パールやビーズ、金具などを組み合わせることで、同じ形のお花でも印象が変わります。

華やかにしたいとき。

上品に仕上げたいとき。

古典的な雰囲気にしたいとき。

目指す雰囲気に合わせて、細かな部分まで組み合わせていきます。


⑥ たくさんのお花を組み合わせる

ひとつのお花が完成したら、それで髪飾りの完成……ではありません。

いくつものお花や葉、飾りを組み合わせて、ひとつの髪飾りに仕上げていきます。

ここでは、

「どこに配置すると美しく見えるか」

「髪につけたときに、どんなシルエットになるか」

「正面から見たときに、どこに華やかさを持ってくるか」

などを考えながら、全体を組み立てていきます。

髪飾りは、平面で見るのと実際に髪につけた状態では印象が変わります。

だからこそ、最後の組み合わせもとても大切な工程です。


⑦ 最後に、ひとつひとつ確認する

完成した髪飾りは、最後にもう一度確認します。

お花の形は整っているか。

飾りはしっかり固定されているか。

全体のバランスはきれいか。

実際に髪につけたとき、美しく見えるか。

大切なハレの日に身につけていただくものだからこそ、最後まで丁寧に確認します。


小さな布から、大切な一日へ

こうして見ると、つまみ細工の髪飾りは、たくさんの小さな工程を重ねてできていることがわかります。

一枚の布を切る。

一枚ずつつまむ。

花びらを作る。

花を咲かせる。

そして、いくつもの花を組み合わせる。

ひとつひとつは、とても小さな作業です。

でも、その小さな手仕事が積み重なって、成人式という大切な一日に身につけていただく髪飾りになります。

私は、つまみ細工のこういうところが好きです。

小さな正方形の布から、少しずつ形が生まれていくこと。

そして完成した髪飾りが、誰かの大切な思い出の一部になっていくこと。

写真を見返したときに、

「この髪飾り、可愛かったな」

「この日に着物を着たな」

「家族みんなで成人式を迎えたな」

そんな記憶と一緒に思い出してもらえたら、とても嬉しいです❤️

日本の手仕事が咲かせる、美しい一輪。

しおりやでは、そんな想いを込めて、一つひとつの髪飾りを制作しています。

次に髪飾りを見るときは、ぜひそのお花の中にある、小さな花びらにも目を向けてみてください。

その一枚一枚に、たくさんの手仕事が詰まっています。